2015年1月4日日曜日

Para Handy


Para HandyVital Sparkという名のClyde pufferを舞台にしたコメディです。ジャーナリストで小説家のNeil MunroがGlasgow Evening Newsに1905年から1923年までHugh Foilisというペンネームで連載していました。Clyde pufferは19世紀中盤から20世紀初頭にスコットランド本島と西方諸島を行き来した小型の蒸気輸送船です。

本も何種類も出ていますが、多くの物語はネット上で読むことが出来ます。物語は船長のPara Handy、機関士のMacphail、操舵手のDougieの3人で、グラスゴー、アラン島、Loch Fyneなどを巡って事件を起こしますが、最後は笑わずにはいられないような顛末に落ち着きます。

BBCでは3回、Para Handyをテレビドラマ化しています。1回目のものは1959年~60年に放送されたもので、白黒の時代です。6話製作されたドラマ自体のフィルムは残っていないようですが、「The Vital Spark, Highland voyage....」という14分ほどのミュージックフィルムがあり、とても楽しいものに仕上がっています。

実は、元の設定ではPara Handyはフェルトの山高帽をかぶっているはずですが、初回、2回目のテレビ化では、ちょっと潰れたGreek Fisherman's Capをかぶっています。


 2回目は1965年から66年にかけて放送され、こちらはカラーで保存状態も良く、DVDも出ています。興味深いのはMacphail役のJohn Grieveで、初回、2回目のテレビ化でMacphailを演じているのですが、初回ではなんとなく気弱な感じだったのが、2回目では個性的でアクの強い演技を見せています。


3回目のテレビ化は1994~5年にかけて放送されました。こちらはビデオでは出たのですが、DVDにはなっていません。3作目ではPara Handyは山高帽をかぶっています。


テレビ化では3作ともDavie 'Sunny Jim' Greenという、原作には出てこないボケ役が登場します。Para Handyがネタを振るとSunny JimがボケてMacPahilとDougieが突っ込みを入れるという感じです。

Para Handyはハイランドの英語、残り3人はグラスゴー訛りなのですが、DVDになった2作目には幸い字幕が付いています。

かつてはスコットランド本島と西方諸島を結んだClyde pufferですが、現在はほとんど姿を消しています。VIC 72という船がInveraray Maritime Museumに展示されており、後にVital Sparkという名で再登録されました。この船はまだInveraryで見ることが出来るようです。

もう一隻、Vic 27 Auld Reekieという船があり、こちらは映画の撮影に使われたものです。現在はCrinanの船着場に置かれており、売りに出されています。



Inveraray Maritime Museum
Inveraray

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