2015年1月31日土曜日

Stirling Castle その5


ジェームズ5世が王の居所として建築を命じたThe Palaceです。1200万ポンドと5年の歳月をかけて修復され、2011年に公開されたばかりです。

窓に据えられた格子のため、どちらかというと無骨な外部に比べ、内部は(修復や再現の結果ですが)さまざまな調度品や装飾で住居らしい温かみを持っています。


The Queen's Inner Hallと呼ばれる部屋です。当時の服装をした女性が手にしているのはイッカク(クジラ)の角ですが、当時はユニコーンの角と信じられ、再生の象徴でした。

The Palaceを作り始めたのは1538年、しかしジェームズ5世は1542年に亡くなります。イングランド王ヘンリー8世の軍隊とSolway Mossで戦い敗れ、(すでに病気がちだったようですが)12月14日にファイフのフォークランド宮殿で30歳の生涯を閉じました。娘のメアリー・スチュアートは12月8日にリンリスゴー宮殿で生まれていましたが、会うことはできませんでした。

メアリー・スチュアートは生後6日でメアリー1世として王位につき、1943年7月には母親のMary of GuiseとともにStirling Castleに戻り、城内の旧チャペルで戴冠式を行いました。

The Palaceは1545年に無事完成します。

はじめ、メアリー・スチュアートの摂政には第2代アラン伯ジェームズ・ハミルトンが就任しましたが、のちには母親のMary of Guiseがその任に着いています。The Queen's Inner Hallの女王の座にはMary of Guiseが座り、政務をこなすため、多くの人と接見しなければならかったでしょう。

王が下した決定さえ、公然と不満が表明され謀反が起こる時代です。フランス王家のカソリック信者であったMary of Guiseが摂政の座にいて物事がすんなり行くはずはありません。イングランドはスコットランドともフランスとも敵対していましたし、ジョン・ノックスは彼女のことを毛嫌いしていました。そんな中で、数々の問題を抱えながらも国を治めた彼女は女傑と言えるかもしれません。


部屋の壁には「The Hunt of Unicorn」のタペストリーが架けられ、追われ、殺され、蘇るということが繰り返されるユニコーンの物語を綴っています。もちろん、ユニコーンとはスコットランドの象徴です。非常に美しく、優雅な織物ですが、不滅のスコットランドというより、際限なく繰り返されるスコットランドの災難を見ているような気もします。

タペストリーは7枚からなり、城内の工房で復元作業が行われ、2013年に完成を見ました。1枚に2~4年の歳月がかけられています。


Stirling Castleの公式なビデオで、The Palaceの内部の様子、修復の過程などを見ることが出来ます。



Stirling Castle
Stirling FK8 1EJ

2015年1月30日金曜日

Stirling Castle その4


The Great Hallはその名の通り、スコットランドの城にあるホールとしては最大のもので、エジンバラ城のホールをはるかに凌駕しています。さまざまな目的で使われましたが、主たる用途は祝宴の場を提供することでした。

スコットランドが独立を失うと、1685年から王城は軍事基地に様変わりし、ホールはもはや本来の目的で使用されることはなくなり、軍隊が使いやすいよう、2階建ての12室に改装されました。19世紀の終わりには歴史的建築物として元に戻す話がありましたが、実際に作業が始まったのは、軍が城を去った1964年のことでした。結局、ホールが創建当時の姿に修復されるのに1999年までかかりました。女王陛下臨席でオープニングが行われました。


木組みの構造が美しいホールの巨大な空間は、王権を誇示するのに有効だったことでしょう。窓が多く壁が明るい色なので、内部は比較的明るくなっています。


上座には王座があり、見学者が座って写真を撮ってもらっていました。


窓には紋章が飾られています。



修復作業終盤の画像がYouTubeに残されていました。画像の感じや内容から考えて、放送や公開のためのものではなく、資料映像のようです。



Stirling Castle
Stirling FK8 1EJ

 

2015年1月29日木曜日

Stirling Castle その3


ジェームズ4世の作った城門を中へ入ると、左手にThe PalaceThe Great Hall、右手に砲台のある広場、The Outer Closeに出ます。

肌色のThe Great Hallはジェームズ4世によって1501~1504年にかけて建てられました。王のさまざまな催しに用いられ、晩餐にも使われました。外壁から上へ飛び出ているのは煙突です。大きなホールを温めるため、大きな5つの暖炉が備えられています。

The Great Hallの向こうにはKing's Old Buildingと呼ばれる古い王の居所がありますが、これもジェームズ4世が建てたものです。


砲台です。突き当たりの2つの窓のある小さな建物はMaster Gunner's Houseと呼ばれます。もともとこの砲台のある場所にはThe Great Hallに供する食事を用意する大きなキッチンの建物があり、食事はもちろん、ビールも造っていました。

が、比較的防御の甘い東側の戦力を増強する目的で、キッチンは移動され、この砲台が設置されました。1689年のことです。


砲台の大砲が向く先は、The Wallace Monumentになります。 



Stirling Castle
Stirling FK8 1EJ

 

2015年1月25日日曜日

Stirling Castle その2


Outer Defenceの内側、The Palaceと呼ばれる建物です。1538年にジェームズ5世が建築を始めました。当初、王の居所は現在King's Old Buildingと呼ばれる建物だったのですが、フランス王家から妻を娶ったジェームズ5世が、フランスに王の権威を示すため、建てることにしたのですが、完成したのは彼の死後の1542年でした。

英国で最も保存状態の良い、ルネッサンス様式の建物です。



The Palaceの右側にある城門です。 ジェームズ4世が1503年に完成しました。フランスの影響が大きいと言われています。現在のStirling Castleの多くの部分がジェームズ4世、5世とその妻Mary of Guise、6世によって建てられました。

ジェームズ4世は賢君として名を馳せ、The Lord of the Islesのマクドナルド一族を従属させたことでも有名です。彼はScotsのほか、ラテン語; フランス語、ドイツ語、フラマン語、イタリア語、スペイン語を流暢に話したそうです。また、ゲール語を話した最後の君主としても知られています。

彼のあとを継いだのがジェームズ5世、その妻がMary of Guise、フランスの大貴族の娘で前回紹介したOuter Defenceを作らせた人です。ふたりの子がメアリー・スチュアート、その子がジェームズ6世、スコットランド王にしてイングランド王となった人です。


The Royal Palaceの壁面の彫像です。建物はルネッサンス風ですが、彫像はドイツ=ゴシック風といわれています。


Stirling Castle
Stirling FK8 1EJ

 

2015年1月24日土曜日

Stirling Castle その1


Stirling Castleに来ました。その城は三方を断崖に囲まれたCastle Hillにあり、はるか昔からなんらかの砦があったと言われています。

駐車場から見たStirling Castleです。一番手前に見える城壁を含む一角はOuter Defenceと呼ばれ、1708年のジャコバイト蜂起後に、防御力を増強する目的で増築された部分です。中央には城門があり、見えませんがその手前には堀があり、門をくぐるには橋を渡らなければいけません。その向こうの古い建物がRoyal Palace、その右の明るい肌色の建物は最近修復されたGreat Hallです。

歴史に初めてStirling Castleの名が現れたのは12世紀の始めで、アレクサンダー1世が礼拝堂を作ったと記録されています。アレクサンダー1世が1124年に亡くなり、その後継者デヴィッド1世の治世下、スターリングは王都となり、城はスコットランドの政治の中心になりました。

しかし、1286年にアレクサンダー3世が死去すると後継者問題が持ち上がり、イングランド王エドワード1世が3回にわたりスコットランドに攻め入り、Stirling Castleは、ときにはスコットランド軍が立てこもり、ときにはイングランド軍が立てこもって攻城戦の舞台となりました。


スターリング城の門前にあるロバート・ザ・ブルースの象です。1306年にスコットランド王として即位、エドワード1世の死後、バノックバーンで勝利し、イングランド軍をスコットランドから追い出した人です。行った日は台座の修理中でした。

そのロバート・ザ・ブルースは1299年にStirling Castleを包囲し、イングランド軍から城を奪還したのですが、どうせまたイングランド軍が立てこもるに違いないと思ったのか、1314年には防壁の破壊を命じています。

ところが、ロバート・ザ・ブルースの死後の1333年には再びイングランド軍はやって来て、破壊された防壁を、おもに材木で修繕して立てこもり、スコットランド軍と対峙しました。なんと言っても、軍事的には重要な拠点だったのです。

1347年にのちのロバート2世、ウォルター・スチュワートが城を取り返すと、Stirling Castleは再び王都としての機能を取り戻し始めます。


 

最初の城門をくぐるとチケット売り場兼ショップの建物があります。

現在、Stirling CastleはHistoric Scotlandが管理しています。


チケットを買って入ってもいいんですが、Explorer Passという観光客用の割引券があり、23.2ポンドで3日間、エジンバラ城などを含むHistoric Scotlandの施設に入り放題というのもあります。

ヘッドホンで解説を聴けるオーディオガイドがあり、6ヶ国語が用意されています。日本語があるのが嬉しい。場内の案内板に番号があり、その番号を入力すると、そのエリアの説明が流れるようになっており、これがあると、内部見学は非常に楽しく、有意義なものになります。


Stirling Castle公式のプロモーデョンビデオです。公式ホームページでも見られます。中世の衣装をまとった人たちが出てきますが、実際に城内にはそれらの衣装を身に着けた人たちが居て、一緒に写真を撮ったり、質問に答えてもらうことが出来ます。

Stirling Castle
Stirling FK8 1EJ

 

2015年1月19日月曜日

The Portcullis その2


焼いたポテトにサーモンの組み合わせ。日本では見ないカップリングですが、食べてみるとこれがおいしい。バターが付いていますが、これを乗せて溶かすと、これまたおいしい。


大きなパンに大きなハンバーグが入ったチーズバーガーです。肉が、おいしい。ポテトもカリッと揚がっていて美味。


入り口にはMonarch Loungeとありますが、ホテルのWebにもGoogle Mapにもありません。


スターリング城の駐車場から見たThe Portcullisです。お城の門番所のようなところにあります。見えているのは2階と3階です。

The Portcullis
CASTLE WYND
Stirling FK8 1EQ
Tel: 01786 472290
E-mail: stay@theportcullishotel.com

2015年1月18日日曜日

The Portcullis その1


The PortcullisはStirling Castleの駐車場のすぐ下にある3階建てのホテルです。1階はBarになっていて、お酒や食事を楽しめるようになっています。

建物は1788年に建てられ、およそ70年にわたって文法学校だったことが知られています。ホテルは駐車場の端の石積みに隣接し、狭間の小さな庭園はBarの客席として使われています。

Portcullisとは、看板にもある城門の下ろし戸のことです。


内部は木調で内装され、適度に古びてクラシックで暖かな雰囲気です。


この店もカスクエールとウイスキーの品揃えにこだわりがあります。シングルモルトも良く揃っていました。ただ、良く出るのはフェイマス・グラウスのようでした。

無料のWiFiを提供していましたが、携帯やノートパソコンを操作している人はいませんでした。皆、酒と食事で手一杯のようです。


暖炉や周囲の調度品も良い雰囲気を出しています。


The Portcullis
CASTLE WYND
Stirling FK8 1EQ
Tel: 01786 472290
E-mail: stay@theportcullishotel.com

2015年1月17日土曜日

Stirling Railway Station その2


プラットホームのデザインはクラシックで幅が非常に広く取られています。施設は管理もよく、天井には半透明の素材を使って日の光が入り、明るく気持ちの良い環境を提供しています。

ついでですが、トイレも無料で綺麗です。


Stirlingに鉄道が敷かれたのは1848年ですが、現在の駅舎は1912年に建て直されたものです。スコットランドの建築家、James Millerの設計で、Glasgow Central Stationを始め、数多くの鉄道施設の設計を手がけた人です。


東側から眺めた駅の景観です。駅の向こうにはStirling市街が、丘の上にはStirling Castleが見えています。

スターリングの町はウィリアム・ウォレスがイングランド軍に勝利したスターリング・ブリッジの戦いで有名ですが、橋自体はすでになく、もとあった場所も確定されていません。

名所としてはスターリング城ウォレス・モニュメントが有名ですが、立派な美術館や、ちょっと離れていますがDoune Castleというのもあります。

James Miller
Glasgow Central Station
ウィリアム・ウォレス
 スターリング・ブリッジの戦い
スターリング城
ウォレス・モニュメント
Stirling Railway Station
Goosecroft Road
Stirling
Stirlingshire
FK8 1PF

2015年1月16日金曜日

Stirling Railway Station その1


Stirlingに来ました。Stirlingは小さな町ですが、歴史があり、町並みも美しく、スコットランド各地の主要都市との鉄道での連絡も良く、観光もとても楽しい場所です。


町や駅はクラシックな外観を保つ一方、南側ではモダンなバスターミナルショッピングセンターが整備され、東側では古い集合住宅が取り壊され、ホテルや映画館が建てられて、新しい町並みが姿を見せ始めています。


ホーム中央の掲示板です。インヴァーネス、エジンバラ、グラスゴー、アバディーンなどの名前が並び、数分後ごとに発着していることが分かります、

壁にはWiFiの掲示もあり、接続も良く、非常に使いやすい環境を提供しています。


Stirling Railway Station
Goosecroft Road
Stirling
Stirlingshire
FK8 1PF

2015年1月15日木曜日

No. 1 その2


Bangers and Mashと呼ばれる伝統的な食べ物です。なんのことはないソーセージとマッシュポテトの組み合わせが案外に英国では人気なのです。パブではもちろん、家庭でも良く作るようです。ここではグレービーソースがかかって出てきました。


ビーフパイです。パイ生地で包んでしまう場合もありますが、ここではパイで蓋をするタイプです。中身はビーフシチュー、美味!それと、パイはサクサク、ポテトはカリカリで出てきました。揚げ物が上手なお店でした。


店内はちょっと暗めでしたが、食事は美味しく、お酒の品揃えもなかなか良かったです。

No. 1 High St.
1 High Street
Edinburgh EH1 1SR

2015年1月14日水曜日

No. 1 その1


パブNo. 1はRoyal MileのHigh Streetの東の端の角にあります。No. 1は一番旨いとか、一番良いという意味ではなく、一番地にあるということです。

店の壁には街灯と花が飾られ、街角を華やかなものにしています。


入り口には兵士のフィギュアヘッドがあり、非常に目立ちます。

両側には立て看板が2枚。一枚には歓迎の言葉が各国語で書かれていて、日本語もありますが、スタッフは誰も日本語を話せませんし、メニューも英語のみでした。

もう一枚には9時からライブミュージックの表示が。エジンバラのこの界隈は夏の時期、毎日のようにライブをやっている店があり、入場料も取りません。ただし、腕はいろいろで嫌に上手な人もいれば、さっぱりな人もいます。音楽のスタイルもいろいろです。


メニューはサンドイッチ、ホットドッグ、ハンバーガーをメインに、パイ、フィッシュ&チップス、ラザニア、カレーとバラエティに富んでいます。


まずは飲み物を注文。私はLoch Nessというエールを注文。名前の通り、ネス湖に近いDrumnadrochitというところにある小さな醸造所のビールです。なかなか美味しかったのですが、私はこれよりも濃厚で味の強いDark Nessという黒いビールが気に入りました。

この醸造所はMad NessやWilder Nessという面白い名前のビールを出しています。

連れはPekorderligというスウェーデンのマンゴーとラズベリーの発泡酒を注文しました。こちらでは珍しく、氷を入れてサービスしてきました。フルーティーでなかなかおいしい。
No. 1 High St.
1 High Street
Edinburgh EH1 1SR

2015年1月13日火曜日

Tartan Weaving Mill & Exhibition


Tartan Weaving Mill & Exhibitionはエジンバラ城の城門前駐車場の入り口すぐのところにあるキルトの製造販売所です。Exhibitionという名はありますが、啓蒙的な意味合いはほとんどなく、若干の展示のある工房兼ショップで、キルトを含むタータン製品のほか、バグパイプやハープ、その他のお土産の販売も行っています。

上はその展示の一部ですが、専門店だけあって数は少なくとも内容は立派なもので、1600年からのキルトが再現されています。


入り口から見ると平屋ですが、建物はRoyal Mile沿いのスロープにあり、内部は幾つかのフロアに分かれ、広大です。一番下は織機が並び、実際にタータン生地を織っています。

施設はキルト専門店のGeoffrey the Tailorの所有で、生地の製造からキルトの仕立て、ジャケットや靴、その他の付属品まで全て扱っています。

また、スカーフや毛布をはじめとするウール製品も数多く扱っています。


上は羊から羊毛を刈り取る作業と染色の展示です。


こちらは子供用のキルトの売り場。出来合いですが、種類も多く、キルトのほかシャツ、チョッキ、ジャケットと品揃えは立派なものです。もちろん、子供用も要望があれば、希望のタータンのものを注文制作してくれます。

ここの他に、Royal Mileをずっと下ったJohn Knox Houseの近くにもGeoffrey the Tailorのお店があります。もしキルトを注文するなら、そちらの方が落ち着いていて良いかもしれません。

タータン
 Geoffrey the Tailor
キルト
John Knox House

Tartan Weaving Mill & Exhibition Edinburgh
City of Edinburgh EH1

2015年1月12日月曜日

Mimi's Picnic Parlour その2


綺麗に並べられたケーキ。どれも美味しそうです。全て手作り、本店から運ばれてくるようです。


ピンクのシャンデリアが可愛いレジカウンター周辺。ビスケットもあります。冷たい飲み物も豊富ですが、アイスティーやアイスコーヒーはありません。左手奥がキッチンです。


紅茶とチョコレートマフィンにしました。甘さ控えめで美味しいのですが、結構大きいです。ロゴの入ったカップとポットが可愛い。

Mimi's Picnic Parlour
250 Canongate
Edinburgh EH8 8AA

2015年1月11日日曜日

Mimi’s Picnic Parlour その1


Mimi’s Picnic Parlourはスコットランド議会に程近いRoyal Mile沿いにある小さなティールームです。店の入り口にはMimi's Bakehouseという表示もありますが、これはLeithの川沿いにある本店のことです。本店は店もキッチンも大きく、ケーキはもちろん、料理も出す本格派ですが、こちらはケーキ、アイスクリーム、サンドイッチと出すものも軽く、持ち帰る人のほうが多いようです。


入り口にはセットメニューの可愛いディスプレイが。そして、看板の下には「CIBBS CLOSE」のプレートも。Closeというのは路地のことです。エジンバラには数え切れないほどのCloseがあり、ここは場所的には下りのスロープと階段があるはずなのですが・・・。


どうやらふさいでお店の一部になっているようです。建物の反対側にはやはりCloseの出口があるのですが、そちらも途中でふさがっているようでした。

Mimi's Picnic Parlour
250 Canongate
Edinburgh EH8 8AA

2015年1月10日土曜日

St. Giles' Cathedral その4


この教会で最も美しいと言われるステンドグラスです。教会西側にあり、Edward Burne-Jonesがデザイン、William Morrisの工房で作成されました。上段に天使、中段はヨルダン川を渡るヨシュア、下段に旧約聖書の女性たち(エフタの娘ミリアムルツ)が描かれています。色彩豊かで明快な美しさがあります。

偶像崇拝の根絶と聖遺物の破壊を訴え、民衆を扇動したジョン・ノックスが創始した長老派の教会がSt. Giles'の名を持ち、美しいステンドグラスを飾ることは不思議なことです。

多くのプロテスタント教会が聖人の存在を否定する中、スコットランドの長老派は聖人という概念に寛容だと言います。


教会南の中央近くに置かれたパイプオルガンです。1992年に設置されたもので、オーストリア製です。ごく一部の部品は、それ以前にあったものから流用されているそうです。


教会では定期的に演奏が行われており、この日もオルガンの快い響きが内部に満ち溢れていました。演奏は専属オルガニストのMichael Harris氏。CDも出ています。また、教会には合唱団もあり、教会での演奏会のほか、海外への演奏旅行を行うこともあります。


地下にある教会のカフェです。お茶にケーキ、サンドイッチのほか、スープや温かい食事も出来ますが、スコットランド風の精進料理のようなものはありません。

なお、教会の西の入り口に受付があります。内部を写真撮影の際には2ポンドの寄進が必要ですのでよろしくお願いします。

St Giles' Cathedral
Edinburgh EH1 1RE