2014年12月4日木曜日

Kelvingrove Art Gallery and Museum その7


この絵はThomas Fraed作、The Last of the Clanです。ただし、これはスコットランド絵画の部屋ではなく、The Scottish Identity in Artの部屋にあります。

題名は「氏族の最後の人々」と訳すのでしょうが、意味的には「残された氏族の人々」の方が近いかもしれません。

港から船が出てゆきます。行く先はアメリカかカナダか、英国の植民地です。戦争に負けたスコットランドの氏族の男たちが、強制的に移民させられてゆく様子です。ですが、その人々は絵には描かれていません。描かれているのは馬に乗った老人と、若い女性たちです。なぜなら、彼らは男たちと一緒に移民することが許されなかったからです。

この部屋にはスコットランドらしさとは何かを示す、さまざまな展示が行われています。


スコットランドの男たちが振るった剣も展示されています。柄が大きいのは力が入れやすいようにという意味もあるのですが、手にしたときに刀身側が極端に重くならないよう、バランスを取る目的もあったようです。


タータンの上着です。19世紀初頭のものです。非常にファッショナブルですが、反面、右下のものはむしろ迷彩服のようで、風景に紛れて動くには良さそうです。


Kelvingrove Art Gallery and Museum
Argyle Street
Glasgow G3 8AG

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