2015年5月29日金曜日

National Museum of Scotland その6



モダンな新館に隣接する旧館の建物です。かつてのRoyal Museumで、1861年に建設が始まり、1866年に開館しました。外観はロマネスク・リヴァイヴァル建築ですが、内部は優雅な鉄骨の建築物です。


巨大な天窓を備えたグランドギャラリーです。内部は白く塗られ、非常に明るい空間を作り出しています。


建物は地上4階、1階にはカフェテリアとショップがあり、展示は各階のテラス、さらに奥にも展示室があります。展示物は自然科学、文化、歴史と多岐に渡り、スコットランドだけでなく世界中の文化を学ぶことが出来ます。


旧館2階の生活文化の展示です。これは20世紀初頭の展示ですが、20世紀後半のコーナーではコンピューターやテレビゲームも展示されていました。

National Museum of Scotland
Chambers Street
Edinburgh EH1 1JF

2015年5月26日火曜日

National Museum of Scotland その5


博物館を上まで登り詰めると、展望台になっています。ただ、危険防止なのか、壁や植え込みが高く、風景の下の部分がちょっと見にくい。

写真は博物館から北を望んだ風景です。左はエジンバラ城、その手前はミリタリータトゥーの観客席、右手の塔はかつてのHighland Tolbooth St John's Church、現在はエジンバラ国際フェスティバルの本部、The Hubです。


下から見ると展望台はこんな具合。飛んでいるのは鳩ですが、エジンバラは海が近いのでカモメを見ることも多いです。


博物館の北東の風景。中央はカールトンヒル、右手にはフォース湾、その向こうには対岸が見えています。左手に見える塔はThe Tron Churchで、17世紀に建てられた教会ですが、現在はショップやレストランが入っています。静かな夜には幽霊が出て、太鼓をたたくと言われています。


南西の風景です。右手の時計塔はかつてのエジンバラ市立診療所ですが、診療所は移転、現在はQuartermileという住宅、オフィス、貸し店舗の入ったモダンなビルへの建て替えが決まっています。

左手の茶色い屋根は、エジンバラ大学のMedical Schoolです。


東に見えるのはアーサーズシートです。見る方向で、だいぶ形が違います。

The Hub
The Tron Church
エジンバラ市立診療所
Quartermile
Medical School

National Museum of Scotland
Chambers Street
Edinburgh EH1 1JF

2015年5月14日木曜日

National Museum of Scotland その4


博物館4階、5階はIndustry of Empireのコーナーです。展示されているのは蒸留器と蒸気機関車。蒸留器はGlenfiddich蒸留所で使われていたもの、機関車は1861年製造のEllesmere号です。


Ellesmere号はスコットランド製で、英国で動態保存される最古の機関車といわれています。

スコットランドも含め、英国では蒸気機関車発祥の地ということもあり、蒸気機関車、客車、駅などが数多く保存され、実際に乗れる路線もたくさんあります。詳しくはこちら、またはこちらをご覧ください。

実際に乗るには、こちらが分かりやすいかもしれません。


北海油田のオイルリグの模型、左の赤い2つの塊は地下に向かって岩盤を掘り抜くためのダイアモンドカッターです。


スコットランドの有名人を紹介するコーナーでです。プロゴルファーのサンディ・ライル、ソウルオリンピック銀メダリストのリズ・マッコルガン、東京オリンピック銀メダリストのボブ・マクレガーなどなど。

下のヘルメットはスコットランド出身のレーシングドライバー、Jackey Stewartのものです。BRM、マトラ、ティレルと3つのF1チームでグランプリ優勝をし、最後は自らStewart GPを立ち上げて息子のポールと一緒に走っていました。


同博物館の1階には11971年にスペインGPでデビュー、6回の優勝を決めたTyrrell 003 F1も展示されています。


休息用の椅子です。なかなか良いサービスですが、もう少し居心地の良いものを用意してくれても良いように思います。


National Museum of Scotland
Chambers Street
Edinburgh EH1 1JF

2015年4月30日木曜日

National Museum of Scotland その3


16世紀の刀剣類です。一番左の大剣はクレイモアと呼ばれ、平均的な長さは柄も含めて1.4メートル、重さは2.5キロほどです。典型的な両手剣で、日本刀がだいたい1.5キロくらいなので、かなり重めですが、柄の先に球状の重りがつき、案外に振り回しやすいそうです。2番目、4番目はもち手を守るバスケットと呼ばれるガードがついています。3番目はやはり両手剣ですが、クラムシェル(アサリの貝殻)型のガードが付いています。


中世以来のクレイモアでの戦闘は、両手剣ですので剣一本での攻守となりますが、近世のハイランダーの伝統的な剣術は、盾の裏にダークと呼ばれる短剣を隠し持った使った二刀流と言われています。利き手にバスケット付きの長剣、反対の腕に盾を構え、手には大振りなナイフを持ち、剣で攻め、隙を突いてナイフで手傷を負わせるというものです。

博物館2階、3階は近世スコットランドを扱ったScotland Transformed(変わるスコットランド)の展示ですが、変わるというより激動の時代と言った方が適切かもしれません。宗教改革、同君連合、ジャコバイトの蜂起が起きた時代の品々が展示されています。


18世紀の銃砲です。上は当時の典型的なフリントロック式、火打石(flint)をネジ止めしたクラシックな様式です。別の場所には角笛型の火薬入れもたくさん展示されていました。

下は大砲に装てんする薬きょう(breech-chamber)です。昔の大砲というと、先込めをイメージしますが、元込めの大砲は14世紀ごろには発明されていて、ビールマグのような容器に火薬を詰め、大砲の根本に弾丸とともに装てんして使っていました。


ヴァージナル(virginal)と呼ばれる鍵盤楽器、チェンバロの一種です。ルネッサンス後期~バロック初期に人気のあった楽器で、同種の楽器の中でもシンプルな構造で、弦は単線で横に張られています。

15世紀中盤~16世紀中盤の作で、恐らくスコットランド製と考えられています。


古い教会の祭壇と説教壇です。保管状態も良く、美しい彫刻が施されています。幅はそれほどではありませんが、高さがあり、これが収められていた建物のサイズはかなり大きかったのではないかと思います。


背が高く2フロアでも収まらないので、上の階の天上を越えた展示となっています。

National Museum of Scotland
Chambers Street
Edinburgh EH1 1JF

2015年4月15日水曜日

National Museum of Scotland その2


新館一階の展示室にあるルイス島のチェス駒です。11個あるはずですが、展示は10個でした。キングが3人、クイーンが2人、ビショップ2人、ナイト1人、ルーク2人、クイーン以外は大きさもバラバラ、デザインも微妙に違います。

アウターヘブリディーズ諸島最北端のルイス島で1831年に発見されたこのチェスの駒は謎でいっぱいです。Malcolm Sport MacLeodがCamas Uigの砂丘で見つけた石の小箱にはチェスの駒78個、何らかのゲームに使われる円形のコマ14個、ベルトバックルの彫り物1個が入っていました。

チェスの駒はセイウチとクジラの歯を彫ったもので、諸説あるのですが、ノルウェーのTrondheimで12世紀に作られ、当時、同地を含む一帯を支配していたノルウェー人が持ち込んだものと推測されています。中世のチェス駒は珍しく、貴重なコレクションのひとつです。

78個の内訳はキング8、クイーン8、ビショップ16、ナイト15、ルーク12、ポーン19、大きさでグループ分けすると5種類のサイズに分けられます。8セットが入っていたのかもしれませんが、それにしてはポーンが少なすぎます。なにより、誰の手に渡るものだったのでしょう。

見つけたMalcolm Sport MacLeodは農作業小屋で人に見せ、それをRoderick Ryrieが購入、彼はエジンバラのSociety of Antiquaries of Scotlandで披露、Kirkpatrick Sharpeが11個を、大英博物館の代理人が残りを購入しました。

現在National Museum of Scotlandで展示されているのは、Kirkpatrick Sharpeが入手した11個で、残りは大英博物館で展示されています。


ギョロリとした眼が特徴的、愛嬌があり非常に味があります。デフォルメされた大胆なデザインですが、細密な文様が彫られた部分もあり、細工はなかなかのものです。

いくつかのチェスの駒は赤く着色されていたことが確認されています。今は白黒ですが、かつては赤白が普通だったようです。

それにしても、どういう考えでこの11個を選んだんでしょう?出来の良いのを選んだということでしょうか?


同じく1階に展示されているモニムスクの聖骨箱(聖人の遺骨お納めた箱)です。750年ごろにアイオナ島の僧侶によって作られたと考えられており、デザインはピクトとアイルランドの混成、木箱を銀と銅で覆うアングロサクソンの技術が用いられています。一部着色されており、今も鮮やかな色合いを残しています。

かつては数多く存在した聖骨箱も多くが失われ、非常に貴重な存在です。

中身は失われていますが、もとは聖コロンバの遺骨の一部が納められ、スコットランド軍が戦地で戦士の祝福に用いたといわれていますが、それを裏付けるものは確認されていません。

アバディーンの西にあるモニムスク村から程近い、フォーブス一族の居所、House of Monymuskで保管されていたため、その名が付いています。16世紀まではForglenにあったと言われています。

1933年にロンドンでオークションにかけられるはずでしたが、The National Art Collection Fundが出資して、聖骨箱は博物館の収蔵品になりました。


Lamont Harpの名で知られるハープです。もとはLamont一族が所有していたもので、少なくとも15世紀の作とされ、スコットランドでもっとも古い2つのハープのひとつです。材質はシデの木で、真鍮の金具が用いられ、現在は弦が失われていますが、一部に金属弦が使われていたのではないかと考えられています。

ハープは結納品のひとつとしてLamont一族からRobertsons of Ludeの一族に贈られ、19世紀初頭まで同家で保管されていました。現在はJohn Stewart of Dalguiseが所有し、博物館に貸与されています。

偶然ですが、ハープの向こうにルイス島のチェス駒が見えています。


National Museum of Scotland
Chambers Street
Edinburgh EH1 1JF